E

ハツキリした事は分りません。しかし明和二年版の『小夜時雨』に『朔日丸、水銀の類を服して一生子をもたぬ者は罪深し』とあるのを見ると水銀剤の内服されたことが知れますし、又た柳里恭の『独り寝』には麝香を子おろしに用ひたことが記るされてあります。それから『皇都午睡』の中に『参耆黄甘のみつ薬を秘するは法に悋嗇なるにて名利を貪ぼるなり。喪命堕胎の薬をして愚悪の人に伝ふれば世間に大害あり云々』とあるのを見ますと、大黄などを使用したことも明かであります。