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蔭間には痔疾を病む者が多く、又た之を病まないでも、それを口実にして嫌やな客を振つた。『六樹園集』に、蔭間買ひに往つた時、相手の蔭間が俄かに痔の痛みが起つて堪へ難いと云つたので、『さしあたり、何とせん湯のはひり口、釜破損につき今日休み』といふ狂歌を詠んだことが記されてあります、娼妓が癪気を口実にして客を振るのと同一轍です。